私の歩んできた道 第14回~撤退
父が会社を去ってから、指揮命令系統が統一されたが、現場の掌握は簡単にいかなかった。
簡単にいくと思ったが、簡単ではなかった。
改めて父の偉大さを思い知らされる。
父を担いで工場を始めたので、継続の意味がなくなったと漠然と考えるようになった。
もはや、工場を継続する情熱は失せていた。
一方売り場提案は、以前にも増して好調だった。
進むべく道は、明白だった。
工場を閉めるしかない。
昨年の年末に決断した。
さみしい感じもしたが、長年の呪縛から解き放たれた、開放感があった。